あの人に任せないとダメだと思い出してもらえる状態になれば素晴らしいのですが、まずは自分がどんな風に記憶されたいのか、キャッチ・コピーを考えてみましょう。
恥ずかしがらずに自分を表すメッセージを考えてみるのです。
たとえば「交渉の鬼・S」とか「財務の女王・S」とか何でもいいのです。
そこから、そんな風に覚えられるためにはイ可をしたらよいかをブレークダウンしていきましょう。
「どのように覚えられるか」は、プランデイングとレピユテーション・コントロール(評判コントロール)そのものであり、企業も個人も注力すべきところなのです。
企業も個人も、物事がうまく行っているときはレヒ。
ユテーションの大切さに気がつきませんが、不祥事や事故など問題が起きたときに人はどんどん離れていきます。
そうした状況を救ってくれるのは、身近な人から得られる良いレピュテーションだけです。
「ビジネスでどんな風に覚えられたいのか」という話を新入社員にすると、「具体的には何をしたらいいですか?」と言われます。
先述したように自分を分析し、メッセージを考えるべきですが、「名刺代わりの案件を持つ」というのも一つの方法です。
たとえば、11週間で~というサイトを立ち上げました」や「-という新しい商品を企画しました」といった話です。
こうした名刺代わりの案件が増えていけば、他の人にも覚えてもらえるようになります。
ここで注意する点があります。
もちろん一人だけで大きなプロジェクトを達成することはできません。
「私が全部やりました」と言うのは、真実でなければ非常に評判を落とす行為です。
ちゃんと「私はチームのメンバーで~の部分を担当しました」と言いましょう。
それでもちゃんと「名刺代わり」になります。
私がコンサルティングに入ったメーカーで、誰でも知っているある製品の話を聞いたときのことです。
長年、製品開発に携わってきた方がこう言いました。
「最初は誰もそんな製品が売れるなんて思っていなかったから、仲の良い仲間と隅っこのほうで開発してたね。
それが実際に完成して、売れ始めると誰もが自分がやった製品だと言い始めたよ」と。
こうしたことはどこにでもある話だと思います。
若い人の中には焦って「名刺代わり」になりそうな面白そうな案件ばかりやりたがる人がいますが、こうした軽率な評判が広まると、誰もチームに入れてくれなくなります。
どんな仕事でも無駄はありません。
必ず学習はあります。
私はある会社で上司に言われて、数日間、シュレッダーされた紙をノリでつなげ続けたことがあります。
探偵やCIAも驚くような仕事ですが、誰かがシュレッドした重要書類を見つけるためにやらされたのです。
こんな仕事でさえ、今では話のネタになっています。
貧欲に目の前の案件を平らげた後で、名刺代わりになる面白いプロジェク卜にも参加して結果を出しましょう。
能書きではなく結果があなたを差別化するのです。
コンピュータのハッカーを題材にしたある小説に「アクセスは神である」という言葉がありました。
ハッカーでなくとも、必要なときに必要な情報にアクセスできるかどうかは、ビジネスの成否を決める要素となります。
プロフエツショナルの脳と外部の情報という2つの要素が揃って、価値は生まれます。
先述のように、現在ではインターネットにより世界中の情報に瞬時にアクセスすることができます。
日頃からRSSリーダーやポッドキャステイング使って、興味のある情報のアップデートをすることも簡単です。
一方で、本当に必要な情報やノウハウは、特定のコミュニティや人物に蓄積していると考えていきましょう。
新興企業や日本に進出したばかりの外資系企業が、業界の重鎮を顧問やアドバイザーといった役職に据えるのは、その人の人的ネットワークを手に入れるという要素が強いものです。
私がベンチャー企業にいたときも、自社の新しいサービスを今まで取引のない企業に持ち込むのは非常に困難でした。
結局は、遠い関係でも人の紹介でターゲットの企業までたどり着くということが多かったものです。
当たり前のことですが、どんな情報も人から発信されています。
様々な業界・分野で情報は誰に聞けばわかるのか?誰が書いた文章を読めば知識が深まるのか? ということを普段から着目し書き留めておきましよう。
情報分析において、現場に行くことが重要なのは先述のとおりですが、気になる人には積極的にどんどん会いにいきましょう。
Eメールでも電話でもコンタクトはできますし、「六次の隔たり(SixDegrees of Separation) 」と言われますが、6人くらい辿れば必ずたどり着くはずです。
あなたがまだ社会に出たばかりなら、人に会って恥をかくなら今です。
ある現役戦略系コンサルタントの方は、20代を「自分の初期的な構想を、恥ずかしがらずにいろいろな人にぶつけて洗練化していくべき時期」と述べていました。
知見のある人と会話をすることによって、新たな気づきは必ずあるものです。
そして、これが一番大事なことですが、誰かから知識や情報の提供を受けるときは、自分も必ず何かしらのお返しをできるようにしましょう。
ギブ・アンド・テイクのテイクだけをしていては、関係は長続きしません。
「エクスペクテーション・コントロールできてる?」とコンサルテイング会社にいるとよく聞かれる質問がありましたが、一緒に仕事をしている人の期待値をコントロールできているかという意味です。
この相手というのは顧客や上司が入ります。
つまり、人はビジネスでサービスを受けるとき、「これくらいはやって欲しいな」という期待値があり、その期待値より少しでも低いとクレームを受ける可能性があります。
一方、期待値よりサービスのレベルが高ければ「よくやってくれた」ということになります。
ロジカルな話ではなく、多くの人は、自分が主観的に持っている期待値で判断しているのです。
この概念は単純ながらインパクトがあり、ビジネスにおいて顧客満足度を考えるうえでも示唆があります。
当たり前ですが、「100%できます」と豪語したのに、70%しかできなかったら怒られます。
相手の期待値さえ越えれば、こういうことは起こらないのです。
相手に対してきちんと期待値をコントロールできるような情報を日頃、自分から出しておくことが大切です。
「Everyday Low Price」を掲げる安売りスーパーのOKストアでは、少し問題のある商品を売るときは「オネスト(正直)カード」というもので商品の説明が行われています。
たとえば「このリンゴは天候の影響で発育が悪く小さいのですが、数日間おくことでおいしく食べることができます」といった説明がされています。
このように、最初から「正直」に説明をすることによって、結果として顧客の期待値をコントロールできているのです。
これは自分の上司に対しても同じことが言えます。
上司の期待値をコントロールして、大きな事故が起きる前に注意を促しましょう。
簡単な例で言えば、うまくいけば夕方で終わる仕事でも、ちょっと余裕を持って「夜には終わります」と報告しておくということです。
「上司をマネジメン卜する」という意識を部下が持つべきです。
他社や自社を間わず、実際に目上の人の意見にNOと言うことは大変です。
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